Red Hat Summit概要
2024 年 6 月 30 日、CentOS Linux® 7 はサポート終了 (EOL) を迎え、CentOS プロジェクトはその時点でアップデートとリリースを終了します。 Red Hat® Enterprise Linux、Ubuntu、Rocky Linux、AlmaLinux、Oracle Linux、CloudLinux など数多くの CentOS 代替製品がありますが、デスクトップ、サーバー、仮想マシンのための最もスムーズな移行を実現するのは、CentOS Linux に最も密接に関連する製品です。
CentOS Linux は Red Hat が公開したソースコードから派生したものなので、CentOS Linux から Red Hat Enterprise Linux への移行は最も簡単な代替案と言えるでしょう。Red Hat Enterprise Linux に移行することで、CentOS ユーザーは CentOS 7 と CentOS 8 と同じ使いやすい技術と要素の多くを引き続き使用することができるため、移行後に必要な再トレーニングの量を最小限に抑えることができます。
また、一般に提供されているコミュニティ主導のソースコードから派生した他の Linux ディストリビューションに移行することも可能です。ただし、Debian や openSUSE のような Fedora ベースではないオープンソース・プロジェクトから派生した Linux ディストリビューションに移行する場合は、アプリケーションやプロセスへの変更も考慮する必要があります。インストールや設定のプロセスを変更したり、新しい管理ツールやセキュリティツールを導入したりする必要があるかもしれません。
CentOS の代替製品
Red Hat Enterprise Linux の派生製品は、どれも同じオペレーティングシステムのように見えるかもしれません。むしろ Red Hat Enterprise Linux のクローンのように感じられるでしょう。しかしこれらの派生製品は、確実性と安定性が低い、まったく異なるデリバリーアプローチに基づいています。組織にとって最適な CentOS の代替製品は、価格、ユースケース、商用サポートなどの変数によって異なります。
新しい OS を選ぶ際には、短期的な目標と長期的な目標の両方を考慮する必要があります。たとえば多くの組織は、Amazon Web Service (AWS)、Microsoft Azure、IBM Cloud などのクラウドプロバイダー間で運用環境を標準化しています。その他の考慮事項としては、仮想化の容易性、IoT (モノのインターネット) の統合、Web ホスティング機能、ソフトウェア開発ツールなども挙げられます。
- ほとんどの組織では、重要なビジネス機能と本番環境をサポートするために以下のものが必要です。
- テストおよび検証済みの、商用に強化されたソフトウェア
- パッチ適用やアップデートを提供するエンタープライズグレードのサポートサービス
- 使用しているアプリケーション、ハードウェア、クラウドプロバイダーの認定
- 直感的に使える最適化された管理機能と自動化機能
- 長期的で予測可能なソフトウェアのライフサイクル
- 適用されるすべての脆弱性基準および規制の遵守
CentOS Stream
CentOS Stream は CentOS Linux の代わりとなるものではありません。CentOS Stream はコラボレーションを通して Red Hat Enterprise Linux の今後のバージョンに貢献するためのプラットフォームです。オープンソースの開発サイクルでは、Fedora Linux と Red Hat Enterprise Linux の間に存在します。Red Hat Enterprise Linux のアップストリームのローリングリリースです。
CentOS Stream は本番環境のサポートを目的としていません。CentOS Stream は開発者、システム管理者、コミュニティメンバーが、Red Hat の開発者とともに最先端の Linux ディストリビューションを開発、テスト、貢献できるオープンソース・プロジェクトです。
Red Hat Enterprise Linux
Red Hat Enterprise Linux は、世界最大のオープンソース・ソフトウェア企業が開発した、世界をリードするエンタープライズ向け Linux サーバー・オペレーティングシステムです。オープンソース開発モデルにおける 25 年以上の経験に基づいた Red Hat Enterprise Linux は、Red Hat の統合ポートフォリオとソリューションの中核です。
Red Hat Enterprise Linux には、マネージドサービス、開発者リソース、高性能バリエーション、長期的なサポート (LTS) サブスクリプション、広範なパートナーエコシステムへのアクセス、厳格なセキュリティ認証、新しいテクノロジーとの統合が付属しています。また、Red Hat はアップストリームでお客様のビジネス要件を提起し、すべての作業をコミュニティに還元することで、Red Hat 製品以外の相互運用性とイノベーションを促進しています。
また、Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration with Extended Life Cycle Support は、お求めやすい価格とシンプルな変換プロセスにより、Red Hat のエンタープライズ向け Linux プラットフォームを CentOS Linux ユーザーにとってより利用しやすいものにすることを目的として設計されています。
Red Hat Enterprise Linux の派生製品
似ているように思われるかもしれませんが、派生ディストリビューションは Red Hat Enterprise Linux とは根本的に異なります。これらの代替 OS は、異なる環境で異なるプロセスや基準を用いてテストされ、構築されています。また、Red Hat の認定を受けていない組織によってパッチ適用、更新、サポートされています。その結果、Red Hat Enterprise Linux とのバイナリー互換性 (いわゆるバグまで含めた互換性) が保証できず、またバイナリー互換性について認められたテストもありません。
Red Hat を選ぶ理由
Red Hat は、柔軟性、リーダーシップ、戦略的アプローチを、エンタープライズグレードのオープンソース・ソリューションとサービスとともに提供し、お客様の使用するアプリケーションとワークロードをサポートします。Red Hat は 25 年以上にわたってエンタープライズグレード Linux を提供しており、Linux カーネルへの主要な貢献者です。また、Kubernetes をはじめとする数多くの新技術やコミュニティプロジェクトに対しても、単独で、あるいは Cloud Native Computing Foundation (CNCF) のような組織と協力して貢献しています。Red Hat は、お客様が新しいテクノロジーへの投資や導入の計画を事前に立てられるよう、お客様とコラボレーティブな協力関係を築き、新機能や開発への影響に対する高度な可視性を提供します。
ハイブリッドクラウド・デプロイメント全体を革新するための、一貫性のあるインテリジェントな運用基盤である Red Hat Enterprise Linux は、組織に最適なメリットをもたらします。Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプションを利用すると、Red Hat のソフトウェア、自動化、管理サービス、テクノロジー、およびパートナー製品の大規模なエコシステムで使用するために認定された最新の Linux イノベーションに直接アクセスできます。プロダクショングレードのライフサイクル (メジャーリリースのアップデートとサポートは最長 10 年、マイナーリリースのアップデートとサポートは最長 2 年) により、長期的な成功に向けた計画を立てることが可能になります。また、Red Hat Enterprise Linux は、組み込みのセキュリティ機能を備え、セキュリティ認定を受けており、より簡単な方法でコンプライアンスを維持できるため、お客様はビジネスの推進に集中できます。
